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中小企業のIoT導入(安価なエッジディバイスとPLC)
2025-06-04
中小企業のIoT導入(安価なエッジディバイスとPLC)
井上電子はロボットシステムのIoTに取り組み、製造現場でリアルタイムのモニタリングを実施しています。これによりダウンタイムを削減し生産性を向上させ、効率的な生産管理と予知保全を通じて運用コストの削減が可能です。
安価なエッジディバイスによって設備の稼働状況がクラウドにアップロードされます。協働ロボットを導入する場合、人との共存が想定されます。直接タクトに影響しない工程で人が介在している作業の自動化が適しています。
例えば、部品の仕分けや搬送を協働ロボットで自動化、システムの稼働状況はIoTで可視化します。
このデモ機ではロボットハンドのチャック回数とコンプレッサーからの圧力の情報を取り込んで「見える化」しています。
このようにハンドの稼働回数がカウントされることで、交換時期を予想することができます。また、設備の稼働状況に応じてコンプレッサーの圧力を可変させるような取り組みが蓄積されたデータを活用することで可能になります。
安価なエッジディバイスによって設備の稼働状況がクラウドにアップロードされます。協働ロボットを導入する場合、人との共存が想定されます。直接タクトに影響しない工程で人が介在している作業の自動化が適しています。
例えば、部品の仕分けや搬送を協働ロボットで自動化、システムの稼働状況はIoTで可視化します。
このデモ機ではロボットハンドのチャック回数とコンプレッサーからの圧力の情報を取り込んで「見える化」しています。
このようにハンドの稼働回数がカウントされることで、交換時期を予想することができます。また、設備の稼働状況に応じてコンプレッサーの圧力を可変させるような取り組みが蓄積されたデータを活用することで可能になります。
また。PLCを用いてロボットや付帯機器の可視化を実現し、IoTによりシステム全体を連動することも可能です。

「工場の見える化」とその効果
2025-04-03
「工場の見える化」とその効果
見える化がもたらす意識の変化
「工場の見える化」は、自動化とDXの目的である「労働生産性向上と工数削減」を進める上での第一歩です。この考え方は、私たちの日常生活にも共通する部分があります。例えば、健康管理のためのスマートウォッチや血圧計を使ったモニタリング、また車の燃費計測などが挙げられます。これらのデータが数値化されていなければ、人間は日々の活動を特に意識することはありません。しかし数値として「見える化」されると、万歩計を見て一日の運動量を増やそうとする、エコ運転を心がけて燃費を伸ばそうとするなどの行動変容がおきます。
同様に、工場の運用においても、設備の稼働状況やエネルギー消費がデータとして見える化されることで、従業員の意識が変わります。例えば設備の稼働時間と部品交換の頻度がルール化されれば、ベテラン社員に依存していた設備保全のノウハウが共有化されます。蓄積されたデータに基づいて、設備をメンテナンスするタイミングが決まれば、経営者は設備保全のランニングコストや更新計画を考えることができます。長期的な投資計画ができれば、受注計画や人員採用なども計画的に検討することができるので戦略のオプションが多様になります。
事例紹介:太平洋工業の「エネグラフ」
「エネグラフ」は、工場内のエネルギー消費状況をリアルタイムで可視化し、データ分析を通じて省エネの改善点を見つけることができるシステムです。このシステムにより、どの設備がどれだけのエネルギーを消費しているのかが一目で分かるようになり、運用の最適化が可能となります。
例えば、エネグラフを導入したことで、特定の時間帯に過剰な電力が使用されていることが発覚し、適切なスケジュール管理を行うことで電力コストを大幅に削減した事例があります。エネグラフはPLCと接続することも可能です。PLCと接続すると設備の稼働状況も「見える化」することができます。井上電子では制御装置を製作しているため、PLCとエネグラフを接続して設備全体の稼働状況の見える化をお手伝いします。
次回は、井上電子で取り組んでいる協働ロボットを使ったシステムの「見える化(IoT)」をご紹介します。

「工場の見える化」による予防保全と省エネマネジメント
2025-03-27
「工場の見える化」による予防保全と省エネマネジメント
工場のIoT化が求められる理由
本ブログでは繰り返し自動化とDXの目的は「労働生産性の向上と工数削減」であると述べてきました。その手段として、IoT(モノのインターネット)を活用した「工場の見える化」が重要になります。
中小の製造業では設備や機器の保守、保全にリソースを避けない事情があります。大手製造企業では、一般的に生産技術、製造、保全が部門別にありますが、中小企業は生産で手一杯、生産技術や保全まで手が回らない、といった現実があります。
中小企業の課題:ベテラン社員への依存
その結果、生産現場を熟知するベテラン社員へ様々な負担、負荷が集中することになります。例えばプレス機やコンベアなどの大型設備への投資は頻繁にあるわけではなく、設備を導入してから30年以上経過しているケースもあります。製造業の生産現場は、こうした設備を知り尽くしたベテラン社員によって運用されており、その技術継承が大きな経営課題になりつつあります。
生産現場を支えてきたベテラン社員の多くが入社した時代は、大量の新卒採用が可能でした。しかしながら、現在は同じやり方では人手を確保することが難しい時代です。こうした課題を解決するために注目されているのが、IoTによる「工場の見える化」です。
「工場の見える化」による予防保全と省エネマネジメントの重要性
大型設備は投資額が大きいため、長期間稼働するケースが多くみられます。使用期間や部品の交換頻度に特に明確なルールがあるわけではなく、“経験と勘”で運用、運の悪いケースでは突然設備が停止、その復旧に多額の費用と時間を必要する場合もあります。このようなトラブルを未然に防ぐためにIoTによる予防保全が重要になります。また、IoTによる「工場の見える化」により工場の省エネマネジメントも可能になります。省エネは大きな経営課題であり、その取り組み内容が取引先からの評価の対象になる時代です。IoTを使ってデータに基づいた管理を行うことで、より精度の高い省エネ対策が可能になります。
次回はIoTの事例についてご紹介します。

中小企業がクラウド導入を躊躇する理由
2025-03-13
中小企業がクラウド導入を躊躇する理由
クラウドよりサーバーの方が安心という認識の根強さ
多くの中小企業では「クラウドは外部にデータを預けるから危険」という先入観があり、自社サーバーの方が安全だと考える経営者が少なくありません。しかし、自社サーバーには災害のリスク、ハッキングリスク、運用コストがデメリットとして挙げられます。地震などでサーバーが物理的に破壊されたらデータは破損してしまい、復旧に甚大なコストが発生します。社内サーバーは適切なファイアウォールやアクセス制御がなければ、標的型攻撃のリスクが高まる外部からの攻撃や、内部からの不正行為に対して脆弱となることがあります。IT専門部署がないと、定期的なセキュリティパッチ(セキュリティ上の問題や不具合を修正するためのプログラム)の適用がされず、ランサムウェア「WannaCry」の感染により1か月以上業務が停止するケースもあります。 fujitsu.com
クラウドのセキュリティはサーバーより高い
クラウドサービスは高度なセキュリティ対策を施して運用しており、自社サーバーよりも安全性が高い場合がほとんどです。クラウドではSSL認証による通信の暗号化が標準で実装されており、データのやり取りが安全に行われます。
SSL認証とは、クラウドサーバーが大家さん、利用者が住人のような関係です。大家さんは正しい住人(利用者)にしか鍵を渡さず、住人も大家の鍵が本物かを確認します。さらに、通信は複雑に暗号化されており、ひとつでも情報が間違えば解読できません。そのため、他人が不正に侵入したり盗み見ることはできない仕組みになっています。
クラウドでは自動的にデータのバックアップが行われ、地理的に分散したデータセンターで管理されているため、災害時のデータ消失リスクが低いです。極端かもしれませんが、明日大地震で都市そのものが消滅するようなことがあっても、データは残ります。社員さえいれば別の場所でデータを使って会社を復活させる、継続させることも可能です。
経営者の誤解:「クラウドはデータを抜き取られる」
一部の経営者(経営者に限らないですが・・)の中には、「クラウドを利用するとGoogleやAmazonにデータを取られる」と懸念する声があります。例えばアマゾン「Alexsa」の盗聴問題や、グーグルドライブからの情報流出などの事例もあり、特にアメリカ企業に情報を見られているような感覚があるのかもしれません。
一部の経営者(経営者に限らないですが・・)の中には、「クラウドを利用するとGoogleやAmazonにデータを取られる」と懸念する声があります。例えばアマゾン「Alexsa」の盗聴問題や、グーグルドライブからの情報流出などの事例もあり、特にアメリカ企業に情報を見られているような感覚があるのかもしれません。
クラウドサービスプロバイダーとユーザーの関係は、ホテルと宿泊者の関係に似ています。ホテルは宿泊者のプライバシーを尊重し、無断で部屋に立ち入ったり、個人情報を利用したりしません。同様に、クラウドサービスプロバイダーも、ユーザーのデータの所有権を保持せず、ユーザーの許可なしにデータを閲覧・利用することは契約上許されていません。
ビッグデータ解析にクラウドは必要不可欠
DXを進めるには、データの収集・解析が必要不可欠です。クラウドは一元管理されデータをどこからでもアクセスして、リアルタイムでデータを活用できます。DX推進のために、最初から大規模なシステム導入をするのではなく、特に中小企業ではスモールスタートが現実的な選択です。クラウド導入の最初のステップとして、製造現場のデータをリアルタイムで可視化する「IoT(モノのインターネット)」が有効です。
次回はIoTについて考えます。
